【文法】スペイン語冠詞の使い分けで押さえるべきルール (el,la,un,una)
スペイン語学習を始めると初期に出てくる文法事項のひとつが冠詞です。いわゆる英語の a や the にあたるもので、これはスペイン語ネイティブスピーカーは、自然に会得している感覚ですが、日本語にはない概念です 。私は英語の勉強をしていた際に、毎度英文添削で冠詞を修正されてまくっていた時期があり、その時にネイティブスピーカーには冠詞がとても重要なことなんだということに気づきました。
冠詞は慣れるまで戸惑うかもしれませんが、基本を押さえれば難しくありません。今回の解説では、冠詞の種類や使い方、例文、そして練習問題を通じてマスターし、より洗練されたスペイン語が使えるように学んでいきましょう。
冠詞とは?
冠詞とは、名詞の前に置かれてその名詞が特定のものか、不特定のものかを示す役割を持つ語です。スペイン語では、冠詞には以下の2種類があります。
- 定冠詞(Artículo definido): 特定のものを指す際に使います。
- 日本語では「その」「例の~」に近いニュアンスを持ちます。
- 不定冠詞(Artículo indefinido): 特定されていないものを指す際に使います。
- 日本語では「ある」「いくつかの~」に近いニュアンスです。
例えば、日本語で「その本」と言えば、特定の本を指していることが分かります。一方で、「ある本」と言えば、特定の本ではなく不特定の本を指していることになります。頭の中に、あるいは他社との会話で共通して特定のものがイメージされているかかどうか、このような違いを表すのが冠詞の役割です。
スペイン語の冠詞一覧と使い方
それでは、冠詞の一覧を見てましょう。冠詞は、名詞の性別(男性・女性)と数(単数・複数)によって形が変わります。
冠詞の種類 | 単数(男性) | 単数(女性) | 複数(男性) | 複数(女性) |
---|---|---|---|---|
定冠詞 | el | la | los | las |
不定冠詞 | un | una | unos | unas |
不定冠詞の使い方
un / una: 「ある1つの~」「1人の~」など、不特定の単数名詞に使います。
例:
- ¡Quiero un café!(コーヒーを1杯ください!)
- Hay una silla aquí.(ここに椅子が1脚あります。)
例文を見ると、コーヒーをオーダーしていますが、提供されるコーヒー(完成後の具体的な姿)が特定されていませんので不定冠詞を使います。また椅子の例文がそうですが、「なんとなくぼやぼやと目の前にあるもの」やにも不定冠詞は使われます (英語でいう there is 構文的な文章である hay ~ では不定冠詞と覚えても差し支えありません)。
unos / unas: 「いくつかの~」「何人かの~」など、不特定の複数名詞に使います。あまりほかの冠詞と比較して使用される機会は多くないです。
例:
- Compré unos libros interesantes.(興味深い本を何冊か買いました。)
- Hay unas flores en el jardín.(庭に花がいくつか咲いています。)
定冠詞の使い方
el / la: 特定の単数名詞に使います。
例:
- El coche está en el garaje.(その車は車庫にあります。)
- La casa es muy bonita.(その家はとても美しいです。)
例文では、どちらも一つしかないような「特定のもの」を指しているので、 el や la を用いています。
los / las: 特定の複数名詞に使います。
例:
- Los niños están jugando.(その子供たちは遊んでいます。)
- Las mesas son de madera.(その机は木製です。)
定冠詞と不定冠詞の使い分け方
冠詞の使い分けは名詞が特定されているかどうか大原則なのですが、少し詳しく冠詞を使い分けるポイント解説していきます。
- 定冠詞を使う場合:
- 既に話題に出ているもの。
- Hay un libro en la mesa. El libro es rojo.(机に本が1冊あります。その本は赤いです。)
- 世界で一つしかないもの。
- El sol es muy brillante hoy.(今日は太陽がとても明るいです。)
- 普遍的な事実や概念を指す場合。
- El agua es esencial para la vida.(水は生命にとって不可欠です。)
- 既に話題に出ているもの。
- 不定冠詞を使う場合:
- 初めて話題に出るもの。
- He visto una película interesante.(面白い映画を見ました。)
- 数が特定されていないもの。
- Quiero comprar unas frutas.(いくつかの果物を買いたいです。)
- 初めて話題に出るもの。
冠詞を使った例文
次にさらにイメージや使い分けの理解を深めるべく、冠詞を使った日常的な例文を見てみましょう。冠詞を強調するために、あえてまどろっこしい日本語で訳を書いていますが、実際に訳すときや頭の中でイメージする際はもう少しあっさりとさせて構いません。
- Un niño juega en el parque.(1人の男の子が公園で遊んでいます。)
- Los niños juegan en el parque.(その男の子たちが公園で遊んでいます。)
- Hay unas flores muy bonitas.(とてもきれいな花がいくつかあります。)
- Las flores están en el jardín.(その花は庭にあります。)
- El cielo está azul hoy.(今日は空が青いです。)
- Necesito una taza de café.(コーヒーを1杯必要です。)
冠詞の練習問題
以下の文で適切な冠詞(定冠詞または不定冠詞)を選んで入れてください。(できれば完成したスペイン語の文章も読みあげてみてください)
- Hoy he comprado ______ libro interesante. (un / el)
- ______ sol está muy brillante. (Un / El)
- Necesito ______ manzanas para hacer un pastel. (unas / las)
- ______ niños están jugando en el jardín. (Los / Unos)
- Ayer vimos ______ película española. (una / la)
- ¿Dónde está ______ silla? (una / la)
(解答)
- un 「本」について初めて言及しているため、不定冠詞のunを使います。
- El 「太陽」は世界で一つしかない特定の存在なので、定冠詞のElを使います。
- unas 数が特定されていない「いくつかのリンゴ」を指しているため、不定冠詞のunasを使います。
- Los 「その子供たち」という特定の集団を指しているため、定冠詞のLosを使います。
- una 「映画」について初めて言及しているため、不定冠詞のunaを使います。
- la 特定の椅子について話しているので、定冠詞のlaを使います。
冠詞の使い分けは、スペイン語の文章を自然に話したり書いたりするために重要な要素ですので、地道に使い分けを勉強し、自然にできるようになればとても素敵ですし、ネイティブも驚くはずです。お読みいただきありがとうございました。
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