【語彙】スペイン語の詩的な色表現を学ぼう
「アスール (Azul)」という言葉を聞いて、どんな色を思い浮かべますか?
スペイン語学習者の方ですと、分かりますよね。青です。でも「青」とひとことで言うより、「アスール」と言うほうがなんだか少し鮮やかで、地中海の海みたいな色が頭に浮かんでくる気がしませんか。私だけでしょうか汗。
スペイン語の色表現や単語好きなんです。スペイン語の色の名前は、ただ色を指しているだけじゃなくて、どこかに情景が宿っていて詩的な感覚があるというか…文字や音を聴いたりするとそんな気分になります。
今日はそんなスペイン語の「色」の世界を一緒に覗いてみるべく、記事を書きました。
基本の色から、すでに詩的
まず基本の色から見てみましょう。
赤 → Rojo(ロホ)
スペインといえば、イメージはやっぱり赤ではないでしょうか。国旗にも赤が入っていて、闘牛のマント、フラメンコのドレス、情熱……と、スペイン文化のど真ん中にある色です。スペイン代表サッカーチームは「La Roja(ラ・ロハ)=赤いやつ」と呼ばれて親しまれていますね。
青 → Azul(アスール)
この言葉好きなんですが、語源を調べてみると、もともとはアラビア語の「al-lāzaward(ラピスラズリ)」に由来され、空や海の青さを指すのにこれ以上ないくらいしっくりくる響きです。「アスール」と声に出してみると、語感からなんとなく澄んだ青い空が広がる感じがしませんか……?(二度目ですが、、私だけでしょうか汗)
緑 → Verde(ベルデ)
スペインの南部、アンダルシアのいっぱいに広がるオリーブ畑や中南米のコーヒー農園を思い浮かべると、この音が自然と合ってくる気がします。言葉や音のもつ明るさがいいですよね。
さらに「詩的すぎる」色の名前たち
基本の色も素敵なのですが、スペイン語の真骨頂はニュアンスを表す色の名前にあります。
栗色 → Castaño(カスターニョ)
茶色は marrón(マロン)と言うことが多いですが、目や髪の毛の色を表すときは castaño(カスターニョ)=「栗色」という言葉が使われます。「茶色の目」ではなく「栗色の目」。なんとも詩的な表現じゃないでしょうか。
ターコイズ → Turquesa(トゥルケサ)
トルコ石(ターコイズ)がそのまま色の名前になった turquesa。カリブ海の浅瀬のような、透き通った青緑色を指します。スペイン語圏のビーチを写した写真でよく見るあの綺麗な海の色です。この言葉を覚えると、旅先でその色の海を見たときに「これが turquesa か……!」と感動がひとつ増えそうです◎
ラベンダー → Lavanda(ラバンダ)
これは音が好きです。lavanda。ラベンダーより丸みがあるというか、絶妙にスペイン語っぽい響きがミソです。
中南米の「色」は、もっとパワフル
ここまでスペイン語の色の名前を見てきましたが、実際にスペイン語圏、特に中南米の国々に目を向けると、色に対する感覚が日本とはまるで違うことに気づきます。
中南米には「Colores Vivos=生きている色」という言葉があります。鮮やかでコントラストの強い原色のことを指す言葉で、まさに民芸品から感じるあの「圧倒的なカラフルさ」の正体です。マヤ・アステカの職人たちにとって色は単なる装飾ではなく、アイデンティティで、アステカの時代から、色は神や方角、自然の力を象徴するものとして扱われてきました。
当教室の先生たちが暮らすグアテマラも、マヤ文明の流れをくむ色彩豊かな国です。昨年パナハッチェルに行ったとき、先住民マヤの子孫たちが今も受け継ぐ民族衣装「ウィピル(Huipil)」をたくさん見ましたが、村ごとに異なる幾何学模様と鮮やかな色の組み合わせが特徴的でした。先生曰く、衣装の柄を見るだけで出身地がわかると言われるほど。色が「言語」のように機能しているようで面白いです。
そして11月上旬に訪れるメキシコの死者の日(Día de los Muertos)。映画リメンバー・ミーをご覧になった方なら分かるかと思いますが、メキシコ全土で墓地や街がオレンジ色のマリーゴールドで埋め尽くされるこの祭りは、「死」を悲しむのではなく、先祖と再会して一緒に過ごすための喜びの祭りです。あの鮮烈なオレンジ色が、「生と死の境を越えてくる魂の道しるべ」と分かったとき、色の持つ力がぐっと違って見えた気がしました。
スペイン語の色の名前の奥には、こういった中南米の人々の世界観や暮らしも垣間見えます。
色を使った慣用表現もご紹介
さて、スペイン語では色が「感情や状況」を表す慣用表現にも使われます。これがまた、日本語と似ているものもあれば、「えっ、その色でそういう意味になるの!?」と驚くものもあって面白いです。
Quedarse en blanco(ケダールセ・エン・ブランコ)
直訳:白いままになる → 意味:頭が真っ白になる
これはあるとき先生が使っていて、日本語と同じやん!と驚きました。スピーチやプレゼン、試験中に頭が真っ白になる感覚は、どこの国でも「白」で表現するんですね笑
Ponerse rojo(ポネールセ・ロホ)
直訳:赤くなる → 意味:赤面する、恥ずかしくなる
これも日本語と同じ感覚です。恥ずかしいときに「赤くなる」のは万国共通のようです。
Poner verde(ポネール・ベルデ)
直訳:緑にする → 意味:悪口を言う
これは少し驚きませんでしたか?日本語では「あの人の悪口を言う」ですが、スペイン語では「緑にする」。なぜ緑なのか、私もまだよくわかっていないのですが(笑)、こういう不思議さも言語の楽しいところです。
色の名前ひとつで、世界が広がる
以上、いかがでしたか?スペイン語の色の名前を覚えることは、単語の暗記以上の体験です。その色が生まれた土地、文化、人々の感覚が少しずつ見えてくる気がします。
言語を学ぶ楽しさのひとつは、こうした「言葉の奥にある世界」をのぞけることじゃないかと、個人的に思っています。
ぜひ今日から、身の回りのものをスペイン語の色で表現してみてください。青い空を見たら「アスール」、それだけで、日常がちょっとカラフルになるかもしれません◎
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