【現地写真有】グアテマラの死者の日の風習とは?
最近お知らせの投稿ができておりませんでした。。ここ10日ほどは発信よりもホームページのデザイン修正、講師の採用、DELE のレッスンの詰めなどに裏方的作業に勤しんでおりました。
さて日本は11/1-3と三連休でしたが、11/1はグアテマラの死者の日に当たる日です。死者の日を一躍有名にしたのは、ディズニーピクサーの名作「リメンバー・ミー」。ちなみにリメンバーミーのスペイン語圏での題名はCOCO。私は劇場公開当時、メキシコの死者の日の文化や骸骨やマリーゴールドのオレンジを主体とした華やかな映像に心奪われ、3回も劇場に足を運んでしまいました。まさにCOCO活していました。いつか現地で骸骨メイクをしてみたいものです…
骸骨やマリアッチに代表されるメキシコの死者の日とグアテマラの死者の日は趣が異なります。今日はグアテマラのアンティグアに住むMundo Contigoの先生たちから現地の様子の写真を送ってもらいましたので、それを交えながらグアテマラの死者の日をご紹介します。
グアテマラの死者の日の風習
グアテマラでは毎年11月1日の「万聖節(諸聖人の日)」と翌2日の「死者の日(万霊節)」にかけて、先祖をしのぶ行事が行われます。
風習はグアテマラの長い歴史の中で培われてきまして、スペイン征服以降、16世紀にスペイン人がもたらしたカトリックの「死者のミサ」や「万霊節」の習慣と、マヤ文化に古くからあった先祖崇拝が融合した結果がいまの形になり、メキシコとは違う「死者の日」文化が形成されました(メキシコはアステカ文明の名残が強いのかなと考えています)。
死者の日は単なる追悼ではなく、命と死のつながりを祝福し、生きている家族と先祖が年に一度再会する日。11月1~2日には故人の魂が家族を訪れると信じられ、故人の遺した記憶や物語を共有するとされます。死者の日の行事を通じて、祖先への感謝を新たにし、家族の絆を再確認します。
具体的には何をするかですが、家族で墓地を訪れ、故人を敬って墓を飾り付け、特別な料理を食べたり供物を捧げて祖先の霊を迎えます。死者の日に家族総出で墓地に集まり、故人の墓石を念入りに掃除・整備した後、鮮やかな装飾や供物で飾ります(ここらへんはお盆と似ていますね)。
墓には故人の写真や好物の料理、ろうそく、香(コパール)などを捧げたり、マリーゴールド(死者の日の花)やガザニアなど花で彩ります。さらに、十字架、花輪などで墓石を装飾します 。そして香炉で先コロンブス時代から続く松脂の香(コパール)を焚いて故人の霊を導きます。
下記はSoledad先生が送って下さった墓地 (Cementerio) の写真です。




伝統料理のFiambre
死者の日に欠かせない伝統料理の代表が、家族で作るサラダ料理「Fiambre (フィアンブレ)」です。Fiambre は冷製のサラダに近い料理で、ハムやソーセージ、鶏肉・牛肉などの肉類、野菜(インゲン、ニンジン、玉ねぎなど)具材はこれでもかというほどたくさん!酢漬けのドレッシングで風味付けされます。11月1日の死者の日の朝に家族が集まって準備し、昼食時に皆で食べて故人や先祖を偲びます。言うなれば、「家族の記憶を呼び起こし祝う料理」でしょうか。発想が日本にはなく面白いです。

凧揚げの祭り
グアテマラの死者の日では凧揚げ(barrilete)も有名。とりわけサンティアゴ・サカテペケスという町では11月1日に巨大凧祭りが開催されます。
サンティアゴ・サカテペケスでは、直径10~20メートルにもなる巨大な凧を揚げます (barrilete)。凧は祖先の霊へのメッセージを託す役割を果たしてまして、文字を書いた短冊を凧糸に結びつけて飛ばすと、風に乗って故人に届くと言われています(霊と交信するイメージですね)。

… しかし、Lorena先生が送って下さったアンティグアのそれは、だいぶスケールダウンというか (汗)、こじんまりとしているかもしれません。。タコのサイズは小さいかもしれませんが、みんな思い思いに凧をあげて、先祖と交信していますね。

メキシコのように華やかな祭りではなくても、アンティグアの人々は静かに祈りを捧げ、家族の絆を大切にする。Mundo Contigoの先生たちも「この日は家族と過ごす特別な日」で仕事はお休み。
スペイン語を学ぶ私たちにとっても、言葉だけでなく、ときにその背景にある“文化の心”に触れることも面白いですね。
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