【コラム】30代以降から語学を始める人が意外と多い?
「語学は若いうちにやるもの」。そんなイメージを持っている人は多いと思います。学生時代に英語や第二外国語の試験で辛酸舐めた記憶があると、なおさらです。
ですが、、、最近オンラインのスペイン語レッスンを運営していて感じるのは、30代以降から語学を始める人が 私想像以上に多いということです。しかも、「やり直し」ではなく、「今だからこそ」という感じがしています。
今日は半分、自分の思考の整理も兼ねて、「なぜなのか」という点を書いてみたいと思います。
生活が落ち着いてきた
まず一つ目の理由は、仕事や生活がある程度落ち着いてきたことです。
20代は仕事を覚えたり、学生社会人とも人間関係構築に必死。エネルギーも持て待っているのでプライベートも充実、語学学習時間を割く余裕がないのでは?と感じています。
30代以降になると、忙しさは変わらないどころか、むしろ益々忙しくなるのですが…、逆説的にその状況だからこそ自分の時間の使い方がうまくなります。例えば、通勤の隙間時間に勉強したり、朝に勉強したりといった行動に繋がります。
具体的な目標
次に大きいのは、学習目的、目標がはっきりしていることです。「具体的にありたい姿」が、現実的な行動 (学習) に変えています。
30代から語学を始める人の多くは、「中南米の文化が好きなので、学んで旅行をより楽しみたい」、「いつかJICAの協力隊やボランティア事業に行きたい」、「DELEやスペイン語検定を取得したい」「日本語をレッスンしている中南米生徒にスペイン語も交えて教えたい」など具体的な動機を持っています。学生時代のように義務感で学ぶ語学は多くないため、熱いなくそして無駄なく学ぼうとします。この姿勢は、実は語学習得にとても向いています。
人へ話すことの耐性があがる
3つ目は「人と話すことへの耐性」です。
意外とこれは見落とされがちかもしれませんが、30代以降は、仕事やプライベートでさまざまなタイプの人と接してきた経験があります。初対面の人と話すことなぞざらにあります。
そのせいか、「外国人の先生と話すこと」への心理的ハードルが、若い頃より随分低くなっているケースが多いのです。最初は緊張していても、「分からないと言えばいい」「聞き返せばいい」と受け止められる柔軟さがあります。当オンラインスペイン語教室の生徒様でも「街中でスペイン語を話す方がいればはなしかける!」という人が結構います。
勉強することで何かを考えずにすむ
昨日、阪神・淡路大震災をモチーフにした舞台を観に行きました。その中で、「何か手を動かしているうちは、つらい現実を忘れられる」という趣旨のセリフが何度か登場しました。
状況の深刻さはまったく違いますが、「確かにそうかもしれない」と、自分自身のことを振り返りました。30代以降は現実的な課題や判断を強いられる場面がオンでもオフでも幾度となく直面します。それは時に少し目を背けたい場面もあります。
私自身、以前に激務とストレスが重なっていた時期、スペイン語を勉強している時間だけは現実から離れられましたし、先生と話す時は逃避どころか逆に癒しやパワーをもらう時間でもありました。これは現実的に勉強を始めるきっかけにはならないですが、スペイン語の勉強を続けられる副次的な理由なのかもしれません。
最後に
30代以降で語学を始める人は決して遅れているわけではありません。むしろ、自分に合ったペースや方法を選べる分、長く続きやすい年代だと個人的に感じています。
何も毎日何時間も勉強する必要はありません。勉強の山谷があって当然。週に数回、短い時間でも、単語を覚えるインプットや人と話すアウトプットの機会を持つだけで、語学は少しずつ生活に馴染んでいきます。是非、スペイン語の勉強に挑戦してみて下さい。
これからも当教室がスペイン語を学ぶ方々の適切な支援や目標達成ができるように、日々運営を務めていきたいと思います。

